うつを発症したら休職すべき?うつの原因と対策

仕事が原因でうつになる人が増えているといわれています。やる気が起きない・疲れがとれないなどの初期症状があったり、中期的な症状として食欲減退や頭痛などの症状が出てきたら、うつの可能性を疑った方がよいでしょう。うつになっている場合、頑張って働き続けることでマイナスになることも多いです。うつを発症しているにもかかわらず放置していると、不眠や意欲の喪失、さらには人に会いたくなくなるといった状態にまで進んでしまう可能性があります。そこで今回は、仕事でうつになった場合の対処法についてお伝えします。

 

仕事でうつになる原因とは?

仕事でうつになった場合の対処法を知るには、まずはうつを誘発した原因を把握することが重要です。主な原因としては3つ挙げられます。1つ目は職場環境の変化です。転勤や部署の異動などによって職場が変わった場合は、たとえ同じ社内であっても、これまでとは異なった環境になることがあります。その変化に戸惑い、十分適応できずにストレスを抱えてしまうと、それが原因でうつを発症する場合があります。

 

また、職場は変わっていなくても、責任あるプロジェクトなどを完了させたのち、達成感と同時に湧き上がる喪失感が、うつにつながることもあるといわれています。2つ目は人間関係のトラブルです。そのなかでも最も多いとされる事例は、上司との相性が合わなかったりパワハラを受けるといった上下関係のトラブルだといわれています。そして3つ目は働きすぎによる疲労です。身体的な疲れが常態化し、それが知らず知らずのうちに大きなストレスとなって、うつを発症させる原因となることがあります。

 

うつになったら休職すべき理由

仕事が原因でうつになった場合、休職するという選択は最も有効な対処法といえるでしょう。なぜならうつによる休職には5つのメリットがあるからです。
1つ目は仕事から離れることで心身ともに休ませることができ、うつ状態からの回復が見込めることです。2つ目はしばらく職場を離れることで、仕事への意欲を取り戻すことが期待できることです。うつを発症すると仕事に対する意欲が持てなくなることも珍しくありません。そんな状態で無理に働き続けるよりも、まずはゆっくりと休みリフレッシュを図る方が効果的だといえるでしょう。

 

そして3つ目は自分と向き合う時間が持てることです。落ち着いて自分のことを考えることができれば、なにが一番ストレスになっていたのか、どれほど自分が無理をしていたのかなど、自分を取り巻く環境や行動を冷静に見ることができます。多忙な毎日のなかで置き去りになっていた自分自身を、ようやくいたわることもできるでしょう。4つ目は睡眠時間を確保できることです。仕事をしているときには不足しがちだった睡眠時間をしっかりとれるようになれば、規則正しい生活リズムも付けやすくなります。5つ目は健康保険から傷病手当などを受給できるため、休職中の経済的な心配を軽減することができることです。

 

うつ病患者が休職中にしてはいけないこと

せっかく休職しても、心身が休まらないような生活をしていたら回復を遅らせることにもなりかねません。うつの完治を妨げてしまう行為や考え方としては6つあげられます。

 

1つ目はネットサーフィンです。特にSNSや掲示板などで誹謗中傷が目に入ると、たとえそれが他人のことでも自分に置き換えて考えてしまいがちなので、なるべく見ない方が良いでしょう。2つ目は無理に活動しようとすることです。うつは心が疲弊している状態です。休職中は「がんばらない」ことを念頭において休むことを最優先しましょう。3つ目は早く治そうと焦ることです。治そうと意識すればするほどそれがストレスとなり、逆に回復を遠ざけてしまうことがあります。「急がば回れ」というように治すことにとらわれ過ぎず、ゆったりとした心持ちでいることが大切です。

 

4つ目は処方された薬を飲まないことです。うつの改善には投薬治療が有効とされています。医師の指示に従って処方された薬は用法を守って確実に服用するようにしましょう。そして5つ目は不規則な生活です。休職中とはいえ、朝と夜がひっくり返ってしまうような生活では十分な休養にはなりません。3食の食事はきちんととり、早寝早起きを心掛けて生活リズムを整えましょう。そして6つ目は誰にも頼らなくなることです。そもそもうつになりやすい人の特徴として、真面目で責任感が強いことがよく挙げられます。職場でもそんな生真面目さが前面に出て、弱音を吐くことを許さず、自分の限界を超えてしまう人も少なくありません。誰かに助けを求めることは決して悪いことではないということを、忘れないようにしましょう。また、人とのつながりのなかでうつが改善されることもありますので、自分の殻に閉じこもりすぎないことも大切です。

 

休職よりも退職を選ぶべき?

仕事が原因のうつの対処法として、休職は多くのメリットがありますがデメリットがないわけではありません。休職中は、復帰後の社内での立場がどうなるのか、給料や待遇は変化するか、さらにはうつ病が再発したらどうしようという不安を抱えることも多いでしょう。そういった「復職への不安」が大きなストレスとなっていては、回復を遅らせる原因にもなりかねません。

 

休職はあくまでも復職のためのもので、また、一番大切なのは自分の健康を取り戻すことです。休職することで、むしろ見えないプレッシャーが掛かるようになったり、焦りを増幅させてしまうようなら、思い切って退職するという選択も検討しておくべきでしょう。

 

まとめ

うつは「心の風邪」ともいわれるように、誰にでも起こりうる病気です。人によってはうつ病になったことが自覚できないケースもありますが、多くの場合は不眠や頭痛などの不調や周囲からの情報などから、うつを疑うようになります。やる気が起きない、眠れないなどの症状がでた場合は、早期に治療を開始し重症化を防ぐためにも、早めに病院に行って診断を受けることが大切です。

 

そこでもしうつ病の診断を受けたら、無理して働かないようにしましょう。「やる気は起きないけど休めない」「働いていればそのうち治まるだろう」と考えてしまいがちですが、うつ状態のときは無理をして悪化することはあっても、自然に改善することはほとんどないといわれています。うつになったらまずはしっかり休養をとることを優先させましょう。休職と退職どちらにするかは、症状や置かれている環境によってもそれぞれ違いますが、迷う場合は休職をして、不安が大きくなるようであれば退職をするという方法もあります。

 

うつは無理をし過ぎた自分からのSOSです。その声にきちんと耳を傾け、適切な治療を行って健康な毎日を取り戻しましょう。仕事ももちろん大切ですが、職場にはフォローする社員がいても、あなたの代わりはどこにもいないのですから。

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