退職を決めたら、、 円満に辞めるための「切り出し方」
転職というものは、人生の新たな分岐点でもあり、新たな職場で活躍するめでたいものでもあります。しかし、転職する前に必ずやらなければならないことが退職であり、なかなか就業先に伝えることに戸惑うものです。退職を就業先に伝える方法は、単に上司に退職の意思を伝えればよいというわけではありません。手順を踏まなければ、スムーズな退職ができず、新たな職場で支障をきたすこともあります。逆に、スムーズな退職ができれば気持ちよく退職できるので、円満退社の「切り出し方」はしっかりと知る必要があります。
ここはしっかり守ろう!退職を伝える順番
退職の意思を固めたならば、その意思を会社側へと伝えることになりますが、この際に重要となるのが伝える順番です。伝える人は、上司や同僚、そして仕事でかかわった人などさまざまです。そのなかで最初に伝えるべき相手は直属の上司でしょう。上司よりも親しい同僚がいたとしても、まず上司に伝えます。同僚に先に伝えてしまうと、何らかの理由により退職の噂が流れる可能性もあり、そうすると上司への心象も悪く、退職を伝えにくくなってしまいます。
加えて、退職の噂が流れてしまうと、その後の仕事がやりにくくなる可能性もあるので、まず上司に伝えることを優先させるべきです。次いで伝えるのは、仕事上でとくにお世話になった人、仕事との関わりが深い同じ部署のメンバーへと伝えていきます。これらの人々へと優先的に伝えるのは、退職するうえで礼儀でもあり、かつ引継ぎなどの関係もあるからです。
いつ伝えるかは職場の状況を考え、上司と相談して決めることが勧められます。そのあとで、同僚や仕事で関わりがあった人々へと伝えていくことになります。退職の意思を伝える順番は、個人的な伝えやすさや感情によるものではなく、残りの期間の仕事のしやすさや職場の状況を優先的に考えて決めるべきものです。
退職を切り出すのはどんなタイミングがベスト?
退職を切り出す順番も重要ですが、いつどのようなタイミングで退職を切り出すことがベストなのかも、重要な要素です。労働基準法には、退職は2週間前に申請すれば辞めることができると定められています。
しかし、実際には後任者への引継ぎや有給休暇の消化などといったトラブルなく退職を進めるために、最低でも2カ月以上前に伝えることがおすすめです。転職先から早期入社を求められて、1カ月前に伝えることもありますが、短すぎると反感を買いトラブルに発展します。場合によってはなかなか退職が受理されず退職交渉をすることになるので、それを加味し、できる限り引継ぎや後任探しに協力的な姿勢を見せ、必要となる期間と残っている有給日数を計算した上でタイミングを計ることがベストです。また、企業によっては独自の社内ルールが設けられていることもあり、その場合は就業規則に則って伝える必要があるため、しっかりと確認することが勧められます。
時期ではなく、退職を切りだす時間帯としてベストなタイミングは、昼休みや業務終了後などの就業時間外がベストです。就業時間中は業務に集中してほしいというのが上司を含め企業側の心理です。また、就業時間中に申し出ても忙しいことを理由に話をそらされることになってしまうので、できる限り就業時間外に切り出すのが良いでしょう。
切り出し方はとても重要!押さえたいポイント
退職の意思を伝えるうえで最も重要となるのが、切り出し方です。就業時間外に切り出したとしても、場の流れで切り出してしまっては、冗談と受け止められるか話をそらされる可能性があり、そうならないための切り出し方にはいくつかのポイントがあります。まず、就業時間外の人気のない時を見計らい「ちょっとよろしいですか?」や「相談があるのですが」などと真面目な口調で、かつ退職を匂わせないように切り出し、上司を個室や会議室など人気のない場所に呼び出します。そのうえで、退職の意思をしっかりと伝えましょう。
この時に、迷っているような表現や喧嘩腰の姿勢、いつやめるかの具体的な断言は避けるべきです。加えて、法的にも常識的にも「一身上の都合」で問題ありませんが、納得してもらえない場合は、退職の理由をいうことになります。その場合、会社への不満ではなく個人的な理由、とくに前向きな理由とすることがポイントです。会社への不満をいえば、改善案で引きとめられることもあるうえに、トラブルへと発展することもあります。個人的な理由で、かつ前向きなものであれば、引き止められず、かつスムーズな退職へとつながるでしょう。
もし、引き止められたとしても断固として拒否の姿勢を貫くことが必要です。留まったとしても改善案が実行されないこともありますし、職場で働きにくく、退職しにくくなるかもしれません。退職の意思を伝え、おおむね受け入れられたら、実際に辞める日と有給消化についての考えも併せて伝えておきます。上司に転職先を聞かれたとしても、転職先は話さなくて問題ありません。
円満に辞めるためにも退職の意思はポイントをしっかり押さえて
転職を成功させるためにも、会社を円満に辞めることは非常に重要な問題です。退社がうまく進まないと、転職がスムーズにいかなくなります。円満退社をするためにも、退職の意思はポイントを抑えてしっかりと伝える必要があります。退職意思の切り出し方のポイントとしては、まず誰に伝えていくかの順番を間違わないこと、そして切り出す時期のタイミングを余裕をもって伝えることと、就業に支障をきたさない時間帯に伝えることです。また、意思をしっかりと伝えつつも失礼のないようにすることが必要です。いずれにしても、現在働いている企業にできるだけ負担をかけずに行うことが円満退職には必要となります。