過労死ラインの残業時間は?過労死の前兆と対策

昨今、働きすぎて死に至る「過労死」が全国的に話題となっています。しかし、多くの方はまだ「まさか自分が……」という認識のまま、過酷な環境で働き続けている状況にあるようです。過労死はもはや他人事ではありません。こちらでは、厚生労働省によって定められた過労死ラインや、働きすぎた心と体が発する過労死の前兆についてお伝えします。

 

厚生労働省が定める過労死ラインは月の残業が80時間

働きすぎが原因で死に至る過労死は、働く環境について考えるとき、決して見過ごしてはならないおそろしい問題です。毎日のように早朝から出社したり、残業をして終電で帰ったりするような働き方を続けていないでしょうか?過労死を他人事としてとらえず、まずは自分の労働状況を見直してみてください。

 

厚生労働省では、そんな過労死が認定される労働時間を“過労死ライン”として定めています。過労死ラインとなる残業時間は、1カ月平均80時間です。これを1日の労働時間に当てはめてみると、定時が9〜18時の会社でうち1時間休憩を取り、22時まで残業している方が対象となります。また、休憩時間が短かったり休日出勤をしていたりする方の場合は、平日に19時に帰る方でも対象となることがあります。

 

ただし、残業時間が80時間以下であるからといって、過労が認められないわけではありません。状況によっては1カ月平均50時間の残業であっても、裁判で過労死が認められるケースがあります。体が弱い方にとっては、これだけでも体調を崩す十分な理由になり得るでしょう。過労死ラインはあくまで目安と考えて、体調および心の状態に異変が感じられたときには、すみやかに医療機関を受診することをおすすめします。

他人事じゃない!過労死の原因と前兆

厚生労働省が定めた過労死ラインに、意外にも多くの方が当てはまっているのではないでしょうか? 今、自分の体に過労死の前兆が現れていないかどうか、確認してみましょう。

おそろしい過労死の原因とは

過労死の原因としては、心疾患が7割を占めると言われています。心疾患とは、心筋梗塞や心停止をはじめとした、心臓や脈に異常が現れる病気のことです。心疾患により心臓を動かす「心筋」という筋肉に十分な酸素や栄養が行き届かなくなると、強い痛みとともに発作が生じ、結果的に心臓の機能が止まってしまいます。命にかかわる大変な疾患です。

 

続いて脳疾患も原因として多くなっています。脳疾患とは、脳梗塞やくも膜下出血をはじめとした、突然死に至ることもあるおそろしい病気です。脳内の血管に異常が現れ、酸素や栄養が届かなくなることで、脳細胞が破壊されてしまいます。発症してから仮に一命を取り留めたとしても、後遺症のおそれがあり、体に麻痺や障害が現れることがあります。

 

また、過労死の原因のうちで自殺も多くの割合を占めています。2014年度では、過労死認定されたうち45%が自殺でした。昨今では、自殺も過労死として認定されるようになったため、より多くの事例が知られるようになっています。体調の異変はもちろんのこと、自分自身ではなかなか気づきにくい心の異変にも、気をつけておきましょう。

過労死の前兆にはどんなものがある?

過労死の前兆としては、以下のようなものがあります。体に現れるものと心に現れるもの、いずれも見逃さないようにしておきましょう。
●体に現れる前兆

  • 原因不明の頭痛が続いている
  • 動悸・息切れ・めまいがする
  • 休んでも慢性的な疲れが取れない
  • 体を酷使したのに疲れが現れない
  • 手足がしびれる
  • 胸に痛みがある
  • 睡眠不足なのに眠れない
  • 過食や拒食で食生活が乱れている

●心に現れる前兆

  • いつも「死にたい」「消えたい」と考えている
  • 仕事を辞めることを“逃げ”のように感じる
  • つらくても仕事は辞められないと思う
  • 辞めるのは責任感のない行動だと思う
  • いつも周りの人への申し訳なさを感じている
  • 楽しかった趣味がつまらないものに思える
  • どんなものにも興味を持てない
  • 家事や外出などちょっとした行動をする意欲もない

 

仕事がつらいと思ったら…自分を守るための対策と心得

もしも過労死の前兆に少しでも当てはまるものが見つかってしまったら、労働環境から自分を守るために対策をしましょう。まずは、突然死や自殺といった状況に陥ってしまう前に、現在の労働環境と距離を取ってください。勇気がいるかもしれませんが、仕事を休んで医療機関を受診しましょう。ただちに病院へ行くことができない場合には、しばらく自宅で休んでから向かうか、倒れて動けなくなってしまったら救急車を呼ぶこともできます。

 

その後は、必要に応じて医師の診断書をとり、休職をする流れになります。過労により体調を崩してしまったときには、労災申請を行うこともできます。その際は、残業などの時間外労働や休日出勤の記録が分かるような勤務記録をもとに、申請を行いましょう。長時間労働が続く職場に勤めている場合には、万が一のことを考えて日頃からタイムカードの写真を撮っておくと安心です。

 

まとめ

過労死は他人事ではなく、誰にでも起こり得る問題です。人によって過労となる基準は異なりますから、「自分よりたくさん働いている人は他にもっといるから……」という考え方は改めて、心と体が発する兆候を見逃さないようにしましょう。厚生労働省の過労死ラインをひとつの目安に、働き方について改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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