押さえておきたい上司を納得させる退職理由

転職などで会社を退職しなければならないときに避けて通れないのは上司への報告です。できれば円満退社するに越したことはありませんので、上司に理解してもらうように努めることが大事なのですが、説明の仕方を間違えると思いもよらないトラブルを引き起こすこともあり得ますので、話し方には慎重を期す必要があります。そこで以下では、上司に退職を報告する際に気を付けるべきポイントを整理しました。

 

避けたい退職理由とは?

まず最初に、上司に対して話すべきではない退職理由についていくつか例を挙げてみていくことにしましょう。避けるべき典型的な理由としては、現在の職場に対して不満があることを伝えるということがあります。最後だからこれまでの不満を吐き出したいと言った気持ちは分からないでもありませんが、職場に残る同僚にもいい印象を残すことにはなりませんので胸に秘めておいた方が無難です。狭い業界であればあるほど、将来どこかでお世話になる機会も否定できませんので余計な禍根は残すべきではありません。

 

それ以外にも上司の個人攻撃になることや、会社に対する批判めいたことも同様の理由から言わない方がよいでしょう。人によっては、伝えることで改善につなげてもらえればという前向きな気持ちで会社の問題点を話すこともあるかもしれませんが、その意図が正確に伝わるかは分かりませんのであまり懸命な方法ではありません。

 

上司を納得させる退職理由の例とは?

それでは、上司を納得させる退職理由にはどのようなものがあるのでしょうか。これは上司の身になって考えることによって、ある程度推測はできるはずです。基本的には自分のやりたいことが現在の職場では実現できず、他の会社に移るしか方法がないということを真摯に訴えることが重要ですが、ポイントとしては上司の力ではどうすることもできないような事情を付け加えるとよいでしょう。

 

例えば、親の介護や家業を継承するために地元に戻らなければならないというのは、上司として最も引き止めにくい理由の一つです。会社に残ったまま達成することは難しい事情ですし、親の介護などは誰しもが直面することであるため正面切って否定することができないためです。

 

また、より汎用的に使える理由には、家族のために収入を増やしたいのでより待遇の良い会社に転職したいというものがあります。これも上司の一存で昇給させることは多くの会社で困難ですし、家族のためという理由に反論することは容易ではありませんので、納得してもらいやすい理由と言えるでしょう。

 

退職を伝えるときに意識したいポイントとは

では、伝えるべき退職理由を整理したうえで、どのようにして上司に伝えるのがよいでしょうか。まず絶対に避けるべき行為は、他の人間が多くいる場所で退職の意思を伝えるということです。部下が辞めるというのは上司の評価に直結する出来事ですし、人前で辞表をたたきつけるような行為は上司のプライドを傷つけて態度を硬化させてしまう恐れもあります。できれば、上司に余裕がありそうなタイミングを見計らって「少しお話したいことがあります」などと言って会議室などに呼び出して、一対一で伝えるところから始めるのがよいでしょう。

 

その際、どのような事情があっても感情的になるのは禁物です。上司が激高するようなケースも考えられますが、あくまでも淡々と自分の意思を伝えるように心がけることが大事です。また、話をした場合に上司から退職を思いとどまるように説得を受けることも多くあります。その際、高待遇をほのめかされることもあるかもしれませんが、それによって揺らいだ気持ちを見せないことが重要です。どのような場合であっても、退職について確固たる強い決意のもとに話をしているということを上司に理解してもらうようにふるまいましょう。

 

伝えづらい話でも誠心誠意対応しよう

上司との関係が日頃からあまりうまくいっていなかったり、会社にとって耳の痛い退職理由をどうしても伝えなければならないことも場合によってはあり得るでしょう。そのような場合でも、退職の意思を伝えないという選択肢は取るべきではありません。時々、会社に退職届を送りつけて退職するような人もいますが、そのような方法は自身の評価を大きく損なうことになります。

 

転職する際に、次の会社の人事が前の会社の人事に転職者の評価を照会するといったことが行われることもあることから、自分で自分の価値を下げるようなことは行うべきでないのは明らかでしょう。また、用意していた退職理由だけではどうしても理解が得られず、やむを得ず現在の職場に問題を感じているということを話さざるを得ないことも考えられますし、上司の方から問題に感じたことを正直に話してくれと言ってくることもあるかもしれません。

 

もしそうなった場合には、あえて隠し立てせずになるべく客観的な観点から自分の感じていることを伝える必要があります。その際、批判めいたことを言わなければならないかもしれませんが、上司が聞く耳を持ってくれているのであれば誠心誠意思いを伝えるというのは良い方法です。それによって会社が良い方向に進めば自身の評価を高めることにもつながるはずです。

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