転職回数が多いのはやっぱり不利?転職時に気を付けたいこと
一般的には転職回数が多いと「コツコツと真面目に勤務できない性格ではないか?」と企業側に判断されてしまい、転職には不利だと思われがちです。しかし、転職回数が多いことを転職活動において不利な材料とするか有利な材料とするかは、その事実を自分にとって有益なキャリアとして説明できるかどうか。あなた自身のPRする力次第です。
どれくらいの転職回数で「多い」と感じられるのか
企業側が採用面接の時に「この人は転職回数が多い」と判断するのは、どのくらいの頻度で転職している場合を指すのでしょうか。一概には決められず業界や職種にもよりますが、目安としては20代で3回、30代で5回転職していると企業側の採用担当者に「転職回数が多い」と感じられる傾向にあるようです。では回数が少ないと数回の転職しかしていなくても問題視されないかというと、そうではありません。
たとえば、最初の会社に7年、それから転職した2社に2年間ずつ勤務した職歴を持つ人がいるとします。この場合、3回転職したという回数も然ることながら、最後の2社に2年間ずつしか勤務していなかったという在籍期間の短さの方が重視されます。特に職歴が最近になるにつれて、あまり勤続年数が短いと「この人は転職した先の職場で長続きしない性格なのではないか」と判断される怖れがあるでしょう。
転職回数が多くても「この人が欲しい!」と思われるケースとは?
では転職回数が多いと必ず否定的な目で見られ、採用に不利な材料にしかならないかと言うとそうではありません。職場を変わった回数が多い人でも、企業側が欲しがる人材は存在します。特に進歩の激しい専門的な技術を扱っているエンジニアリングの分野などです。そういう人たちは、「前の職場ではできない新しい仕事がしたかった」など前向きな理由で転職していることが多いです。
また、無計画に興味本位で職場を変わったわけではなく「今もっているこの技術を活かして、今後このようにステップアップしたい」と自身のスキルを磨きキャリアアップをはかるプランを組んで転職しています。さらに目先のやりたい仕事だけではなく「今の自分のスキルでは無理だが、新たに技術を学び、いずれはこういう仕事に取り組みたい」という将来に向けてのプランもしっかりと持っています。仕事を通して自分自身を磨き、それが所属する企業の利益につながるように努力したい。そういう向上心の強い人材は、たとえ転職した回数が多くても、欲しがる企業はたくさんあります。
転職回数が多い人が転職時にやっておきたいこと
転職回数が多い人が面接で失敗するパターンで一番多いのは「それでどうして職場を変わられたんですか?」「それで今後は何をやろうと思われているんですか?」と、採用担当者に促されるような流れで話を進めてしまっている場合です。これでは、いくら建設的な考えをもっていても、後ろ向きな理由があって転職をしているという印象を与えてしまいます。
転職を成功させるには、まず自分の行ってきた職務経験には「この分野におけるスペシャリストになりたい」といった一貫したテーマがあることを、こちらから面接官にアピールすることが重要です。さらにその考えに説得力をもたせるために、これまで経験してきた仕事のどの時点でどのようなスキルを修得し、それをどのように実務に活かしてきたかをきちんと説明できるように整理しておく必要があります。思いつきで職場を変えているのではなく、自分の中に大きなテーマがあって行動していることが理解されれば、転職回数が多いことは逆にプラスの経験として相手に伝わります。
また、転職理由を聞かれた場合、回りくどい説明はせずに「自分が研究した技術を活かせる事業展開をしている企業だったから」といったように簡潔に答えられるように準備しておきましょう。妙に表現がまとまっていなかったり、答え方が不明瞭だと何か他に理由があったのではないかと誤解されるので、明確に答えることで前向きな姿勢をアピールしましょう。
転職回数が多くてもPRできれば内定は勝ち取れる!
転職というのは職場を変わる必要性に迫られて行う場合もあれば、新たにやりたい仕事を見つけて行う場合もあり、人によって理由は様々です。たまたま経営不振でリストラされるような企業に連続して転職してしまい、面接で「転職回数が多いですね」と否定的な目で見られ「不景気で仕方なかったんです」と反論するしかない経験を持っている人もいるかもしれません。
ただ、そういう場合でもネガティブに考えなければならないと言うことはありません。やりたい仕事を見つけて前向きに自分のタイミングで転職した人と状況は異なるかもしれませんが、「不本意ながら変わらざるを得なかった慣れない職場環境でも自分はこれだけのことができた」とアピールすることもできます。そういう不遇な環境の中でしか得られない経験、スキルもあります。順調にキャリアを積み重ねてきた人より、逆境の中で負けずに努力を続けてきたことに好感をもつ採用担当者も出てくるかもしれません。理由はどうあれ、まぎれもなく自分自身の職歴です。アピールのやり方次第で結果は変わるでしょう。