給料未払いの被害にあったときの相談先・対処法

会社の業績が悪いからといって、給料の一部しか支払われないのは、私たち社員にとっては死活問題。それらは生活基盤をゆるがすことなので「はい、そうですか」と簡単に受け入れるわけにはいきません。
力関係でがまんするしかない、と思っているケースが多いですがそんなことはありません。このページでは法律の原則も紹介しながら、給料未払いにあった時の相談先や対処法について解説しています。

 

給料未払い、法律的にはどうなの?

結論から言うと、給料の未払いは会社側の違法行為です。労働基準法(24条)では会社が給料支払いで守るべき重要な5つの原則を定めています。

  1. お金で払う
  2. 直接本人に払う
  3. 全額を払う
  4. 毎月払う
  5. 決まった日に払う

給料の未払いは、3つ目の「全額を払う」原則に反します。会社側がもっともらしく「会社の業績が悪いから」とか、「お前が仕事しなかったことで落ちた売上分を給料から引いておいた」などと言うのは、違法としか言いようがありません。また会社側が社員に対して何か債権を持っていて、それを一方的に給料で相殺することもできません。

 

いずれにしても、給料の支払いは労働契約上、最優先されることとして法律で定められていて、会社が一方的にそのルールを曲げることはできないので、仕方ないと思ってがまんすることではありません。

 

どこに相談すればいい?

労働基準監督署に相談

給料未払いを会社側にクレームしたとしても、そもそも法律を無視した行為なので、話し合いをしたくらいでは、らちがあかないのが普通です。力関係では僕ら雇われる側は弱い立場なので、話せば話すほど苦しい立場に追い込まれます。

 

なので、まずは労働基準監督署に相談するのがベスト。ちょっと敷居が高い感じがしますが実際にはそんなことはなくて、労働基準監督署の中に総合労働相談コーナーという窓口が設けられていて、労働問題に関する相談を広く受け付けています。

 

足を運びずらい場合は、電話でも相談にのってくれる柔軟性があります。市区町村役場の係の人と話す感覚でぜんぜん大丈夫なので、自分で解決できない場合はぜったい頼ってください。

全国に300か所以上あるので「労働基準監督署+地域名」で検索すれば管轄がわかると思います。また、厚生労働省HP内の「全国労働基準監督署の所在案内」からも探すことができます。

 

労働基準監督署は相談をもとに助言・指導をしてくれます。相談者である私たちへのアドバイスだけでなく、状況に応じて会社側への事情聴取や立入調査なども期待できます。その助言指導によって、未払い給料が支払われる場合もあるので労働基準監督署の相談窓口を使わない手はありません。

 

僕ら一般人が警察を怖い存在に感じるように、会社は労働基準監督署が怖い存在です。なので、労働基準監督署に給料未払いの相談をにしているという事実を会社側が知ることだけでも、会社を動かせる可能性が高いです。話がおおごとになってしまうと社内で居ずらい空気になってしまうかもしれませんが、生活基盤をゆるがすことに目をつぶることは決してできません。

 

労働組合に相談

なにをするにも1人よりも多数で戦った方が有利なのは言うまでもなく、労働問題も同じです。労働組合があればそちらに相談しましょう。

 

子供のころのケンカに例えれは、相手が1人と多勢とではプレッシャーがぜんぜん違いますよね。それと同じで労働者側が1人か束になっているかの違いで会社側の受け止め方がぜんぜん違います。労働組合は憲法(28条)で団結権を、そして労働組合法で団体交渉権を保障されているので、会社側は正当な理由なく交渉を拒否できません。対等の立場に立てるのは大きな武器になります。

 

もし、「労働組合が味方になってくれない」とか「そもそも会社に労働組合がないんだけど・・」という場合でも、あきらめる必要はありません。地域や業種ごとに結成されている社外の労働組合(ユニオンと呼ばれています)に一人でも入ることができるので安心してください。

 

労働基準監督署に相談しても解決しないとき?

労働基準監督署や労働組合に相談すればたいていの問題は解決しますが、それでも解決しない悪質なケースもあります。そんな倍は法的な手段を使うことになります。

労働審判制度を使う

聞きなれないちょっと小難しい名称ですが、労働審判制度という裁判の一歩手前の手続きを使う手があります。

 

労働基準監督署や労働組合に相談してもなかなか解決しない場合は、最終的には裁判になるのですが、いかんせん通常の裁判では決着がつくまでに何年もかかってしまいます。そんなに待てませんよね。そういう背景があって、労働分野には特別な制度として、労働審判制度が2006年から使えるようになっています。

 

この制度は弁護士を代理人にたてて、100日以内に3回の審理で決着がつくので裁判よりも圧倒的に早いです。労働審判の7割は和解という形で決着しています。給料未払いに関して個人で闘う方法としては、問題解決にもっとも速く、かつ納得いく決着を見ることができる方法だと思います。

裁判所に訴える

労働審判制度の結果が納得いかない、もしくははじめから真っ向から闘って決着をつけたい場合は、裁判であらそうことになります。

 

裁判所の手続きには(ちょっと専門的になりますが)仮処分、労働審判、訴訟といったものがあります。ただ、実際に利用しようとするといずれもそれなりの費用と時間がかかってしまいます。もちろん弁護士なども立てないと太刀打ちできず、一気にハードルが高くなってしまうので、他の社員、労働組合、労働基準監督署など関係先を巻き込んで解決の糸口を見つけたいところです。

 

「給料の支払いが遅れる」と一方的に言われたときは?

この場合も「毎月、決まった日に払う」という3番目と4番目の原則に違反します。これは会社側の事情を問わず、以下のようなケースでも違法になります。

【事例】
経理担当者が不正を行って、会社のお金を持ち逃げしてしまった。今、給料を払ってしまったら会社の資金繰りが苦しくなって倒産してしまう。なので、給料の一部だけ払って残金は来月の給料日にまとめて払う、と会社が一方的に通告してきた

 

会社もある意味被害者で厳しい状況ではあるのですが、だからといって、給料の支払い延期を社員全員に通告して、それでよしということにはなりません。支払いを待ってもらうには社員1人づつ同意を得る必要があり、どうしても払ってほしいという社員がいれば、その人には規定の給料日に全額を払わないといけません。

 

まとめ

給料を決まった日に全額払うのは、会社側の義務で、給料未払いはどんな理由があろうとも違法です。労働者の保護を目的とした労働基準法の「給料支払いの5原則」で私たち労働者は守られています。
給料未払いを我慢したりあきらめたりする必要はなく、困ったらまずは労働基準監督署の窓口に相談しましょう。

スポンサーリンク